鞍手郡鞍手町にある伊藤常足旧宅・古物神社

江戸時代に福岡藩を代表する国学者として太宰管内志82巻を書き上げた伊藤常足旧宅を訪ねて

福岡藩を代表する国学者の伊藤常足旧宅がいがいにも近くにある事を知って行ってみました。

場所は鞍手郡鞍手町古門です。

どういう人物であったか鞍手町歴史民俗資料館から引用させてもらいますと

安永3(1774)年、鞍手町古門、現在の古物神社の神官の家に生まれました。当時福岡藩を代表する学者であった亀井南冥と、青柳種信のもとで学び、68歳の時、九州各の歴史をまとめた『太宰管内志』82巻を書き上げました。この書物を作るために常足300冊もの資料を読み解いています。現代と違い、出版物の数も少なく、図書館などもない時代に、紙と筆で資料を一字一字記録し、まとめ上げるのは大変な作業で、実に37年もの歳月をかけて完成させました。『太宰管内志』は明治時代になって活字化され、現在も多くの研究者に活用されています。
また地域の人々への教育にも熱心で、安政5(1858)年に85歳の生涯を終えるまで、地元の子どもたちに読み書きを教えた他、学問を志す人々には、身分や男女の区別なく指導にあたりました。

と、後世九州の歴史を学ぼうとする者に対して多大な遺産・業績を残した人物ですね。

筑前国の地誌と言えば年代ごとに貝原益軒の「筑前国続風土記」、加藤一純・鷹取周成の「筑前国続風土記附録」、青柳種信 の「筑前国続風土記拾遺」という筑前三大地誌がありますが、この時代の記録はさぞかし大変だったことでしょう。

伊藤常足旧居

で、伊藤常足旧居ですが西山東側にあるのどかな風景の一画に位置します。

 

伊藤常足

古物神社の参道から入っていきます。

 

伊藤常足

参道口の右側には伊藤常足翁顕彰碑があります。

 

伊藤常足

古物神社の鳥居です。

 

伊藤常足

黒田長成書と書かれていたと思いますが、鳥居の扁額になります。

 

伊藤常足

参道横に旧居への道があり、こちらが伊藤常足旧居になります。天明6年(1786年)に建てられたことがわかっており、建築当時の材料がほぼ残っていることや建築時の資料が残っていることから県指定文化財となっているそうです。なかなかこういった古民家に入る機会もないのでワクワクしますねトタン屋根です。

 

伊藤常足

現在の家は文化14年(1817年)の図面を参考に整備されたそうです。土間がお出迎えしてくれます。

 

伊藤常足

中の様子で、かまどや古い農機具などが見えます。

 

伊藤常足

入って左側にある座敷の様子で、掛け軸がたくさん掛けられてあります。神社の仕事をしながらこちらで太宰管内誌の編纂をしたり、学問を教えたりしていたのですね~ 勉学をする環境に恵まれていなかった人達や女性たちにも熱心に指導していたそうです。その指導のもとで小田宅子・桑原久子といった商家の主婦たちが優れた文芸作品をのこしたそうです。

 

伊藤常足

天井を見上げてみると、お~すごい!当時の暮らしがわかるようで良いものを見させていただきました。

 

伊藤常足

風が吹くとカタカタと木戸が鳴りすきま風が入ってくるのが印象的で、たいそう寒がりな私は現代に生まれて良かったなとつくづく思いました。。

では旧居をあとにして古物神社へ参拝したいと思います。

 

伊藤常足

伊藤常足が幾度となく行き来したであろう参道に戻ります。

 

伊藤常足

石段を登っていきます。

 

伊藤常足

古物神社境内で、この時は本殿の屋根の修復中で職人さんがいました。

 

伊藤常足

拝殿で見上げると御祭神が書かれてあります。

天照大神・日本武尊・素戔嗚尊・布留御魂神・宮貴姫命・剣大明神・仲哀天皇・神功皇后・応神天皇・仁徳天皇と書かれてあり様々な神様が祀らているようです。

神社誌によると創建は不詳ですが元は十握剣素戔嗚尊を祀る剣神社で、ここ仲哀天皇・神功皇后の行在所でもあった八幡宮に、文政11年(1828年)に暴風で社殿倒壊した剣岳剣神社を相殿に合祀、明治4年(1871年)村名から名を古物神社と改めたそうです。大正10年(1921年)近くにあった布留神社を合祀。と様々な歴史を積み重ねてきたようです。

鞍手町周辺には草薙剣の話をはじめ神話伝承が多い地域でもありますが、伊藤常足自身の探求心が筑前国にとどまらず約300冊もの書物を読み解き『太宰管内志』を書き上げる原動力でもあったのでしょうね。

 

伊藤常足

帰りに参道横から鳥居と旧居を見たところです。昔ながらの田舎の光景が残されてある良い空間ですね~

以上、鞍手町の歴史的にも奥深い田舎に佇む伊藤常足旧居と古物神社でした!

伊藤常足旧居と古物神社 鞍手郡鞍手町古門→グーグルMAP

伊藤常足に関する資料展示がされてある鞍手町歴史民俗博物館のWEBサイトはこちら